ふしぎの海のナディア VOL.9 [DVD]



ふしぎの海のナディア VOL.9 [DVD]
ふしぎの海のナディア VOL.9 [DVD]

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1990年にNHKで放送された『新世紀エヴァンゲリオン』で人気を博した庵野秀明監督によるTVアニメーションシリーズ。ジュール・ヴェルヌ原作『海底2万マイル』をベースに繰り広げられる空想科学冒険譚の快作。
19世紀末のヨーロッパを舞台の中心として、発明好きの少年ジャンと自分の出生を知らぬ少女ナディアが、科学を操り世界を支配しようとする組織「ネオアトランティス」と、彼らに対立する謎の潜水艦「ノーチラス号」との戦いに巻き込まれていく。
作りこまれた設定や、圧倒的に描きこまれたメカ描写、当初の敵である『タイムボカン』シリーズの3悪人を想起させる「グランディス一行」との協力など、ツボを押さえた展開が観ていて実に楽しい。(田中 元)



悪の姿

むかし岡田斗司夫さん(元ガイナックスの社長)が、ナディアの脚本を考えている時に、古代の超科学力を持ってしても、世界中の通商関税を抑える(年貢?)とか人類を奴隷にするとか、支配者としては「しょぼい」ことしか思いつかなかった、といっていたのが印象的。しょせん、悪といっても世俗的に考えると、その辺が関の山なんだよね。ナディアはSF傑作古典のパロディを見事に換骨奪胎しているから、クラークの「幼年期の終わり」とか様々な傑作のイメージを喚起させるけど、その凝縮力を持ってしても、やはり悪の姿はここまでなんだよなぁ。これじゃあフリートレードとシーレーンを押さえる今のアメリカや大英帝国とそんなに変わらない。最高の悪といっても、その辺なんだよなぁ。

それと死への旅に赴く潜水艦など船の乗組員って、見ていると感動と涙が止まらない。世界が滅びた後の世界と似ていて、それは強い絆と共同性を喚起させるからだと思う。つまりは、船の乗組員というのは、家族であり、閉じた閉鎖空間で目的を共にする宗教秘密結社であり、死を共にする戦友だからです。ある意味、ファシズムに一番近い(笑)美しさなんだけど。でもあの、死を共に戦う「仲間意識」って、憧れるよなぁ。そういった強い絆は、日常にはありえないから。退屈な日常という現代文明の最高の難問からすると、こうした強烈な絆意識を再現できるのは、物凄く訴求力のあるポイントなんだよねぇ。とにかく物語としては、これほど感動する場面はない。
集約へと進む話に眼が離せない

ナディアストーリーも佳境へと入ってくパート。計画的に行ったのではないだろうが、途中にコミカルなパートがあっただけに後半のシリアスな話が余計に引き立っていく。ここまでくると残り数話で終わるのがもったいないと思えるほどの盛り上がり演出が心憎い。



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